【弁護団声明】FIRST不動産役員2名、かけ子3名に判決が言い渡されました。

平成28年10月24日、横浜地方裁判所で、FIRST不動産の役員2名、かけ子3名
に判決が言い渡されました。

不動産投資装い1億円超詐欺 元社長に懲役10年判決(NHK NEWS WEB)
中心人物らに実刑 カンボジア投資詐欺 横浜地裁判決 「組織的で狡猾」( 神奈川新聞) 
カンボジア投資詐欺で不動産会社社長に懲役10年 横浜地裁 (産経ニュース)
カンボジア投資詐欺  5人実刑判決 懲役10年など 横浜地裁 /神奈川(毎日新聞)
 

これを受けて、当弁護団では以下のとおり弁護団声明を出しました。

 

             カンボジア不動産投資被害弁護団声明

                                     平成28年10月24日
                             カンボジア不動産投資被害弁護団
                                   団長 弁護士 瀬 戸 和 宏

 カンボジア不動産投資詐欺事件に関し、本日、横浜地方裁判所刑事部は、日本総
代理店とされていた株式会社FIRST不動産の代表取締役である被告人A、
同社副社長である被告人B、架け子グループのトップである被告人J、同ナンバーツーである
被告人K及び同メンバーの一員であるLに対して、それぞれ詐欺罪で懲役10年、懲役8年6か月、
懲役10年、懲役8年6か月、懲役4年6か月の実刑判決を言い渡しました。

 被告人らは、在カンボジアの不動産への投資名目で、劇場型勧誘の手法により全
国の高齢者らを次々と狙い撃ちにし、少なくとも数百名から20億円以上もの金員
をだまし取ったもので、老後の資金を根こそぎむしり取られた被害者も多数います。
このように、本件は数ある投資詐欺の中でも極めて大規模、組織的、計画的、悪質
かつ卑劣な犯行といえ、高齢者らの被害は凄惨を極めます。本件で起訴されている
犯罪は、被告人らが犯した罪のごく一部に過ぎないのです。
 本日の判決内容は、被害者の感情を考慮すると不十分と言わざるを得ません。
 ただ、平成25年8月に最初の関係者が逮捕されて以降、本判決に至るまで3年
以上にわたり捜査を行い、公判を維持してきた警察・検察の尽力には心より敬意を
表します。

 しかし、本件の真の首謀者である今野郁男氏(カンボジア名:Konno Kakada)は、
逮捕状が発付されて国際手配をされていながら、現在、カンボジア
におり、逮捕されていません。裁判では、本件は今野氏が計画し指示したものであ
り、また多額の被害金がカンボジアの今野氏のもとに届けられたことが明らかとな
っています。今野氏は、平成24年にカンボジアへ渡航し、以後、現在に至るまで
カンボジアを拠点としており、平成25年には国籍も日本からカンボジアへ変更し
ております。今野氏の刑事責任が問われないままでは本件が真に解決したとは言え
ず、警察・検察に対しては、国際的な協力の下、今野氏の逮捕行に向けた活動をこ
れまで以上に強く期待します。

 我が国では、本件と同種の投資詐欺が後を絶たず、その手口も年々悪質化、巧妙
化しておりますが、本判決はこれら同種犯行の再発を強く抑制するものといえます。
 当弁護団としては、引き続き警察・検察の捜査・公判に協力していくとともに、
未だ十分に実現されているとはいえない被害回復に向けて尽力していく所存です。
                                              以上